ビデオ  
 
 
 
  記事  
 
 
 
教育補助金
提供:
本サイトの制作協力:
慢性骨髄性白血病について
慢性骨髄性白血病(CML)は血液のがんです。CMLにかかると、白血球の正常なライフサイクルを支配するプロセスに障害が起こります。その結果、白血球が過剰に生成されます。

CMLが「骨髄性」と呼ばれるのは、この病気が骨髄性細胞という特定の血球に影響するためです。また、この病気は長い時間をかけてゆっくりと進行する傾向があるため、慢性白血病と見なされます。

CMLは比較的珍しい病気で、その罹患率は全世界で10万人に1人と予想されています。通常、CMLは、40歳以上の成人に見られます。この種類の白血病が子供に見られることは非常に珍しく、女性よりも男性の罹患率がわずかに高くなっています。

血球は、骨髄中で幹細胞として生成されます。これを造血幹細胞といいます。種類の異なる造血幹細胞が成熟し、赤血球、白血球、血小板を形成します。

医師らは、ひとつの造血幹細胞内で発生する遺伝子的突然変異がCMLの原因であると考えています。この突然変異がなぜ発生するかは不明ですが、人によって原因が異なるといわれています。また、第二次世界大戦中の日本で核爆弾が投下された後にCMLとその他の白血病が増加したことから、大量の放射線とCML発生には何らかの関係があると思われます。ごく稀ですが、遺伝的疾病素質がCMLにわずかに関与しているという説もあります。

フィラデルフィア染色体
CMLの誘引は特定されていませんが、医師らはこの病気が進行する課程をほぼ完全に理解しています。CML症例のほとんどは、細胞分裂の途中で、2つの染色体の部位が組み換えられることによって発生します。この現象を転座と呼びます。この異常染色体のひとつがフィラデルフィア染色体と呼ばれ、ほとんどのCML症例の際立った特徴になっています。

フィラデルフィア染色体には、BCR-ABLと呼ばれる特有の遺伝子が含まれています。この遺伝子が、BCR-ABL酵素という変異酵素を生成します。このBCR-ABL変異酵素が、白血球に組み込まれた正常なライフサイクルを妨げます。CMLでは、白血球の寿命が通常よりも長くなります。この要因と、まだ完全に解明されていない仕組みにより、白血球の過剰生成と蓄積が起こります。

CMLの病期
CMLには、慢性期、移行期、急性転化期の3つの病期があります。

  • 慢性期:CMLの慢性期には、血液中の白血球が過多状態になります。しかし、そのほとんどが正常な機能を続けます。CMLのこの段階では、自覚症状がまったくないか、非常に軽いのが一般的です。診断時には、CML患者の約85パーセントが慢性期にあります。

  • 移行期:CMLの移行期には、芽球(がきゅう)と呼ばれる骨髄中の未熟な白血球の数が急増します。この過剰生成が非常に急速なため、骨髄中に白血球が収まりきらなくなり、血液中に押し出されます。同時に、他の血球の異常が発生する可能性も高くなります。この病期の顕著な症状として、疲労感、腹痛、出血、多量の汗、体重減少、感染などがあります。また、この病期には、CMLを薬物療法で抑えることが難しくなります。

  • 急性転化期:この病期には、血液中の芽球の数が増加を続ける一方で、成熟した白血球と血小板の数が減少します。その結果、出血と感染のリスクが高くなります。急性転化期のCMLは、治療が非常に困難です。

CMLの診断
CMLと診断された時点で、多くのCML患者には目立った症状が認められません。ただし、白血球の増殖による脾臓肥大のほか、腹部の圧痛、疲労感や微熱が見られることもあります。自覚症状がまったくないか非常に軽いため、健康診断などの血液検査でCMLと診断されるケースが多く見られます。血液検査の結果、白血球数が非常に多い場合は、CMLの疑いがあります。

この場合、診断結果を確定するために、医師が精密検査を指示することになります。骨髄サンプルを採取して検査する方法が一般的です。細胞遺伝学的検査と呼ばれる検査法で、染色体の専門家が造血細胞を顕微鏡で調べます。フィラデルフィア染色体が検出されると、CMLの診断が確定されます。

CML治療の目標
CMLの治療における第一の目標は、血球数を正常に戻すことです。第二の目標は、異常なフィラデルフィア染色体を含む細胞をできるだけ多く排除することです。現在のところ、CMLを薬物療法で完治させることはできません。代わりに、CMLをうまく管理することで、この病気を慢性期にとどめ、急性転化期への進行を遅らせる、または防ぐことができます。治療後も白血病細胞の一部が体内に残るため、薬を続けて服用することが大切です。薬の服用をやめると、病気が再発して進行する可能性が高くなります。

同種幹細胞移植
幹細胞移植に続く大量化学療法が、CMLを完治させる唯一の方法になります。大量化学療法を放射線治療と併用することもあります。しかし、この治療法は大きなリスクを伴う可能性があります。放射線治療と組み合わせるのが一般的な大量化学療法では、患者の骨髄を完全に破壊します。続いて、適合ドナーの幹細胞を使った同種幹細胞移植を行います。この移植によって骨髄を再生し、新しい血球を生成する機能を回復させます。

幹細胞移植のリスクを従来よりも減らすための新技術が、すでに開発されています。

しかし、近年は薬物療法の成功率が高いことから、ほとんどの医師が幹細胞移植を避ける、または遅らせるよう勧めています。唯一の例外は、適合性の高いドナー(通常はきょうだい)がいる、非常に若い患者です。薬物治療の効果がない稀なケースでは、幹細胞移植が依然として重要なオプションになっています。

<<ホーム