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慢性骨髄性白血病の治療
慢性骨髄性白血病(CML)と診断された場合、治療の第一の目標は血球数を正常に戻すことです。そのため、体内の白血球の数を減らし、赤血球と血小板の数を増やすための薬を服用します。薬物療法の第二の目標は、基礎疾患を攻撃し、進行を遅らせる、または防止することです。

CML患者の標準的な治療には、イマニチブ(別名グリベック)と呼ばれる薬を使います。イマチニブは血球数を正常化し、血液学的寛解と呼ばれる状態に導きます。この薬は、ほとんどの症例で体内の白血病細胞の割合を減らす効果があるため、特に重要です。白血病細胞には、CMLを誘発する遺伝子的突然変異であるフィラデルフィア染色体が含まれます。

血球数の正常化を速めるため、イマチニブを使う前に、ヒドロキシウレアという薬を医師が処方する場合もあります。

以前は、インターフェロンアルファがCMLの標準的な治療薬でした。インターフェロンは耐えがたい副作用を伴い、患者の体内の白血病細胞を減らす効果がイマチニブと比べて低いという短所もありました。イマチニブが導入される前に診断された患者の中には、インターフェロンによる治療がすぐれた効果をあげ、現在もこの薬で治療を続けている方もいます。

イマチニブは、がん細胞に集中的に作用する抗がん剤です。チロシンキナーゼ阻害剤として知られ、BCR-ABLと呼ばれる変異酵素の活動をブロックします。

主要な臨床試験の結果、イマチニブは、CMLの慢性期にある患者の97パーセントに血液学的完全寛解をもたらしました。また、この治療薬は、患者の76パーセントに細胞遺伝学的完全寛解をもたらしています。さらに、精密なPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)分子技術を使って測定した結果、イマチニブの投薬により、患者の約40パーセントでフィラデルフィア染色体を含む細胞の数が大幅に減少しました。

イマニチブの副作用は軽い場合が多く、日常生活に大きな支障をきたすこともありません。一般的な副作用である浮腫では、目の周りがむくむ症状が多く見られます。その他の副作用には、出血、皮膚発疹、下痢、吐き気、筋肉痛、疲労感などがあります。これよりも重い副作用として、肝臓障害と血球数の異常低下が挙げられます。また、稀ではありますが、深刻な心臓障害も報告されています。

継続的な服用
イマチニブを医師の指示通りに服用しないと、効果が急激に低下します。また、指定された頻度で全量を服用しないと、病気が再発する危険性があります。患者が医師の指示通りにイマチニブを服用しない理由のひとつに、この薬の値段の高さがあります。また、血球数のコントロールに成功し、血液学的寛解を得られれば、イマチニブを継続して服用する必要がないと患者が思い込むこともあるようです。

薬剤耐性
イマチニブを服用する患者の中には、服用開始時の耐性(一次耐性)を示す方や、長期投与に伴う耐性(二次耐性)を示す方もいます。投薬量を増やすことにより、耐性を克服できるケースもあります。ただし、イマチニブの投薬量を増やすと副作用の発生率が上昇するほか、重度の副作用を引き起こす可能性もあります。

耐性が発現すると、CMLが急速に進行し、移行期または急性転化期に達する可能性があります。耐性発現後に適した治療法のひとつに、幹細胞移植があります。この場合のもうひとつのオプションとして、最近開発されたチロシンキナーゼ阻害剤の使用があります。具体例として、ダサチニブ(商標名スプライセル)とニロチニブ(商標名タシグナ)が挙げられます。米国では、これらの治療薬を医師の処方で入手できます。また、他の国々でも、処方または臨床試験によって利用できる可能性があります。ただし、これらの新しいチロシンキナーゼ阻害剤を使っても耐性を克服できないケースもあります。この場合は、他の治療薬の臨床試験に参加するか、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ耐性を克服するための複数の薬を組み合わせると効果があるかもしれません。

幹細胞移植
薬物療法により、CMLの患者が数年から数十年にわたって生存できる可能性があります。しかし、効果が実証されたCMLの完治方法は幹細胞移植のみです。この治療法では、放射線療法と組み合わせた大量化学療法に続いて、幹細胞移植を行います。この方法は、骨髄移植とも呼ばれています。幹細胞移植は高リスクで、この治療オプションは適合ドナーがいる若年患者に限定されるのが一般的です。ただし、薬物療法で効果を得られなかった患者のために、幹細胞移植を再検討するケースもあります。

幹細胞移植では、化学療法、または化学療法と放射線療法の併用によって患者の骨髄を破壊します。骨髄は、フィラデルフィア染色体を含む血液幹細胞が増殖する部位です。この集中治療により、すべての白血病細胞を破壊します。ただし、正常な血液幹細胞も同時に死滅します。大量化学療法に続いて、ドナーが提供した健康な幹細胞をCML患者の血液中に注入します。この幹細胞が骨髄に入り込み、新しい血球を生成する機能を回復します。

幹細胞移植の成功は、患者とドナーの組織の適合性の高さにかかっています。一卵性双生児は理想的なドナーになります。きょうだいも適合性にすぐれています。幹細胞移植が成功する可能性を最大限に高めるため、ドナー候補者を慎重に検査します。現在、低用量化学療法と放射線療法を利用した移植技術の臨床試験が行われています。この方法は、年配の患者に適しているかもしれません。

幹細胞移植はリスクを伴うため、ほとんどの医師は薬物療法によってCML患者の治療を開始します。同時に、患者を骨髄移植希望者リストに登録し、適合ドナー探しを始める方法もあります。こうすれば、薬物療法の効果がないために幹細胞移植を再検討する際に、適合ドナー探しがすでに始まっていることになります。

耐性克服が難しいケース
CML治療における二次耐性は、点突然変異と呼ばれる遺伝子変異の一種によって生じることがあります。CML治療薬耐性を示す患者のごく少数に、治療が特に難しい病気を誘発する特定の点突然変異が見られます。これはT315I変異と呼ばれ、ダサチニブもニロチニブも効果がありません。

T315I変異が見られる場合は、幹細胞移植を検討または再検討します。現在、有望な新薬のテストが行われています。そのひとつに、オーロラキナーゼ阻害剤の一種であるMD-0457があります。この治療薬は臨床試験でのみ使われています。

その他の新治療
チロシンキナーゼ阻害剤による治療成功後も体内に残る微量の病変を除去して治療法を改善することで、薬物療法でCMLを完治できるかどうかを調べる研究も行われています。これを残存病変と呼びます。研究者らによると、幹細胞移植では、移植片対白血病効果と呼ばれる作用によって残存白血病細胞を破壊します。移植された細胞は、白血病細胞が「異物」として認識する白血球を生成します。この白血球が、白血病細胞を免疫攻撃します。この観察結果が、移植片対白血病効果を生かした、予防接種などの免疫療法の研究につながっています。現在、臨床試験による免疫療法の研究が進められています。

進行した病気の治療
進行したCMLの治療は困難ですが、多くの症例ではイマチニブ(特に大量投与)の効果が期待できます。ただし、慢性期を超えたことがない患者に比べて、再発の可能性が高くなります。進行したCMLでは、臨床試験で治療を受けるオプションを選ぶこともできます。

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