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新たなCML治療法
ジョージ・コーテス医師:イマチニブは画期的な治療薬で、ほとんどの患者の治療で抜群の効果を発揮します。もちろん、完璧な治療薬はありません。最終的に反応しなくなる患者もいますし、最初からまったく反応しない患者も少数ですが存在します。イマチニブが効かない理由はたくさんあります。最も頻繁に見られる治療失敗の原因は、いわゆる突然変異でしょう。

ジョン・ゴールドマン医師:これまでに、イマチニブ耐性とさまざまに関連した突然変異を45種類ほど識別しています。しかし、イマチニブの用量を増やすだけで耐性を克服できるケースもあれば、この方法が効かないこともあります。

アナウンサー:病気がイマチニブに反応しない患者には、他の治療オプションがあります。

ウィリアム・G・ウィーダ医師/医学博士:多くの患者にとっての朗報は、FDA(米国食品医薬品局)が認可した治療薬、ダサチニブの実用化です。ダサチニブは、イマチニブ耐性CMLとイマチニブ不耐性患者の治療に大変効果的です。

アナウンサー:スプライセルとしても知られるダサチニブは、チロシンキナーゼ阻害剤です。イマチニブと同じ薬剤クラスに分類され、イマチニブと同様、BCR-ABL酵素の働きを妨げる効果があります。

ウィリアム・G・ウィーダ医師/医学博士:ダサチニブは、CML患者の体内で白血病細胞が生成する異常蛋白質、BCR-ABL生成物の酵素ポケットをブロックします。イマチニブよりも酵素ポケットをしっかりとブロックするため、阻害剤としてはるかに効果的です。

アナウンサー:研究者らは、STARTと呼ばれる研究を通じて、ダサチニブ服用中の患者の経過を調べています。

ジョン・ゴールドマン医師:私の病院では、18ヶ月にわたり、イマチニブ耐性または不耐性を示す患者と病気が進行した患者にダサチニブを投与していますが、非常に効果があります。

ジョン・ゴールドマン医師:ダサチニブ、別名スプライセルに対するイマチニブ耐性患者の反応レベルを定量化するには、まだ早すぎるでしょう。しかし、イマチニブが効かなかった患者の約50%が、ダサチニブに非常によく反応しています。特に素晴らしいのは、血液学的寛解や染色体的寛解に至らない患者でも、1年間の追跡調査に耐えられるという点です。

ニール・シャー医師/医学博士:実際、不耐性患者における効果のほうが、耐性患者よりもわずかに高いように思えます。

ジョン・ゴールドマン医師:イマチニブの服用で重度の発疹、肝臓障害や骨の痛みを体験する患者にとって、すぐれた反応が期待できるダサチニブに切り替えられるのは朗報です。

アナウンサー:ダサチニブは、イマチニブ耐性突然変異の多くを効果的に防止します。

ニール・シャー医師/医学博士:2003年に私が行った実験では、さまざまな種類のイマチニブ耐性BCR/ABL変異を研究所で観察し、ダサチニブに反応するかどうかを調べました。その結果、実験に参加した15人中14人が、非常に低濃度の投与で阻害に成功するという嬉しい結果が出ました。

ジョージ・コーテス医師:さらに多くの変異を調べた研究では、30~32種類ほどのテスト対象変異のほとんどで阻害効果がありました。唯一の例外がT315I変異です。

アナウンサー:多くの患者がダサチニブにうまく適応しますが、軽い副作用を経験する患者もいます。

ジョージ・コーテス医師:軽い吐き気、下痢、頭痛が起こることがあります。

ジョン・ゴールドマン医師:白血球数と血小板数の減少、貧血症状が見られます。白血球数の減少は、赤血球の生成を促進する、いわゆる造血成長因子の投与によって治るケースが多いのです。

血小板生成を促進するすぐれた薬剤がないため、血小板の数が減った場合は、ダサチニブの用量を減らすか、服用をやめる必要があるかもしれません。

ニール・シャー医師/医学博士:血球数とは無関係の最も重い副作用は、片方の肺の周りに水がたまる胸水でしょう。

ジョージ・コーテス医師:通常は治療を行い、しばらく中止してから、たまった水を取り除くための利尿薬を投与します。炎症緩和効果があるコーチゾン剤を好んで使うこともあります。

アナウンサー:現在臨床試験中のもうひとつの第二世代チロシンキナーゼ阻害剤に、ニロチニブがあります。

ジョン・ゴールドマン医師:ニロチニブの主鎖の一部はイマチニブと共通ですが、ニロチニブでは効果を高めるために他の部分を変えています。つまりニロチニブは、阻害対象の酵素とより完全にぴったりと結合するよう処理されています。その結果、ニロチニブの活性は、同じ重量のイマチニブと比べて約30倍になっています。

ジョージ・コーテス医師:ニロチニブについては、30種を超える異変の阻害性をテストしており、ある研究では33種中32種の阻害に成功しています。ニロチニブが効かないのはT315Iのみです。

アナウンサー:ニロチニブの臨床試験では、有望な結果が出ています。

ジョージ・コーテス医師:白血病のみが原因で血球数が上昇している患者を治療する場合、70%を超える患者の血球数をうまくコントロールできます。少なくとも、患者の半分で何らかの染色体反応が認められています。

病気がさらに進行している場合は、当然ながら治療がやや難しくなりますが、それでも多くの患者で非常によい反応が見られます。血球数のコントロールはもちろん、染色体が改善されるケースも多いのです。

アナウンサー:ダサチニブと同様、ニロチニブの副作用も非常に軽度です。

ピエール・ラニュービル医師:副作用のほとんどは軽く、簡単に対処できます。吐き気、筋骨格の症状、わずかなむくみや水腫、肝臓の炎症のほか、発疹が出る患者もいます。

ジョージ・コーテス医師:肝酵素が増加する患者も時々いますが、一時的なものです。投薬を一時中断する必要があるかもしれませんが、深刻な問題はほどんど見られません。

ニール・シャー医師/医学博士:心拍障害が懸念される患者もいます。これは重大な副作用で、さらなる臨床評価による対応が必要です。

アナウンサー:ニロチニブを服用している患者の血球数が、ダサチニブを服用中の患者ほど下がらない場合もあります。

ジョン・ゴールドマン医師:ニロチニブの長所は、脊髄に残っている正常な機能を維持しながら白血病を抑制するという点で、症例によってはダサチニブと同じ成果を得られることです。ニロチニブの場合、ダサチニブほど大きな血球数の低下は見られません。

アナウンサー:研究者らは、イマチニブと第二世代チロシンキナーゼ阻害剤の成功をもとに、併用療法の潜在的メリットを調べています。

ジョン・ゴールドマン医師:これらの治療薬を併用する方法として、2種類のチロシンキナーゼ阻害剤を組み合わせて同時に投与する治療法があります。さらに魅力的で実用的なのは、2種類のチロシンキナーゼ阻害剤を交互に投与する方法でしょう。これは、耐性の発症を防止する非常に効果的な方法かもしれません。

アナウンサー:チロシンキナーゼ阻害剤を、インターフェロンや伝統的な化学療法剤と併用できる可能性もあります。

ニール・シャー医師/医学博士:私たちがCMLについて学んでいるのは、患者ひとりひとりの病気を、それぞれのタイプに合わせて治療する必要性かもしれません。CMLの治療は、数種類の阻害剤を組み合わせて治療するHIVの治療管理に似てきています。BCR-ABLのあらゆる種類の耐性異変を抑制するためには、キナーゼ阻害剤を混ぜて使わなければならないかもしれません。その結果、長期的な進行性疾患にかかっていない患者の数が飛躍的に増えると私は予想しています。

アナウンサー:イマチニブ、ダサチニブ、そしてニロチニブも、T315I変異を克服することはできませんが、研究者らはこの変異の阻害効果が見込まれるMK457というオーロラキナーゼ阻害剤の研究を進めています。

ジョージ・コーテス医師:すでに数人の患者を治療していますが、一部の患者はとてもよい反応を示しており、耐性も抜群です。副作用もほとんどなく、血球数が大幅に低下しますが、これは非常に好ましい兆候にもなりえます。

アナウンサー:現在調査中のもうひとつの化学療法剤に、ホモハリントニンがあります。

ジョージ・コーテス医師:グリベックが効かない患者の治療に役立つことが多いですね。また、少なくとも研究所では、T315Iなどの手ごわい変異に対する効果が認められています。

アナウンサー:CMLの治療で使われているもうひとつの戦略に、免疫療法があります。病変がほとんど認められなくなった患者の治療では、患者の免疫システムを訓練して残存病変を排除するためのワクチンの使用を医師らが試みています。

ジョージ・コーテス医師:免疫システムを鍛えて病気のコントロールと予防ができれば、患者の治療を中止できる可能性もあります。インフルエンザの予防接種のように、このワクチンを年に一回接種する必要があるかもしれません。

ニール・シャー医師/医学博士:私は、将来的なCMLの治療に大きな期待を寄せています。耐性を引き起こすBCR-ABL内のすべての点突然変異を集合的に抑制できる治療薬を組み合わせて患者に投与すれば、CMLの初期であろうと進行期であろうと、ほぼすべての患者でより長期的で耐久的な反応を実現できると確信しています。

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